アナウンサーはどう原稿を読んでいるか|読み方と機材

Natalie Brooks Natalie Brooks · 2026年9月3日 · 約7分で読めます

ニューススタジオでカメラに向かって原稿を読むアナウンサー

アナウンサーの原稿を初めて見ると、印刷された文字の上に手書きの記号が大量に入っていて驚きます。区切る位置、上げる位置、間を取る位置。原稿はそのまま読むものではなく、読むための設計図として使われています。そして原稿そのものは、レンズの前のプロンプターに流れています。放送部の練習でもアナウンサー志望の自主練習でも、専用の機材なしに同じ条件を作れます。この記事では、その仕組みと具体的な手順をまとめます。

アナウンサーはニュース原稿を暗記していません。カメラのレンズの前に置かれたプロンプターに原稿が流れており、それを読みながらカメラを見ています。レンズの前にハーフミラーを45度に置き、下のモニターに映した文字を反射させる仕組みです。カメラはミラーを透かして撮るため、視聴者には原稿が見えません。放送部の練習やアナウンサー志望の自主練習でも、専用の機材を使わずに同じ状態を作れます。

放送用プロンプターの仕組み

スタジオのアナウンサー席では、プロンプターは3つの要素で構成されています。左右反転した原稿を映すモニター、レンズの前に45度で立てたハーフミラー、そしてスクロール速度をその場で操作する担当者です。アナウンサーはミラーに反射した文字を読み、カメラはミラーを透かして撮影します。結果として、原稿を読んでいるのに視線がレンズの中心にとどまります。

日本のニュース番組でも、この方式が標準的に使われています。スクロール速度を人が操作するのは、アナウンサーの読む速さが一定ではないからです。速く読める部分と、間を置くべき部分がある。機械的に一定速度で流すと、必ずどこかでずれます。

機材より重要なのが原稿の書式です。放送原稿は1行を短くします。目安として1行20〜25文字。視線を左右に動かさずに1行が視界に入る長さです。文法的に整った長文ではなく、話す息づかいに合わせて切った短い文で書きます。文字サイズは、ミラーまでの距離に応じて大きめに設定します。

放送原稿は書き方が違う

読み上げるための原稿は、読ませるための文章とは別物です。放送原稿には次の決まりがあります。

  • 1行20〜25文字で切る。長い行は視線が横に動き、読み間違いのもとになります。
  • 話し言葉で書く。「〜における」「〜に関して」といった書き言葉は、声に出すと不自然に聞こえます。
  • 数字は読み方を書き添える。「1,200人」ではなく「1200人(せんにひゃくにん)」のように、迷いそうな箇所に読みを入れておきます。
  • 固有名詞にはアクセントを記す。人名や地名は、読み方とアクセントを原稿に書き込んでおくのが放送現場の習慣です。
  • 1文を短くする。1文が2行を超えると、読んでいる途中で息が続かなくなります。

現役のアナウンサーの原稿を見ると、印刷された文字の上に手書きの書き込みが大量に入っています。区切る位置、上げる位置、間を取る位置。原稿はそのまま読むものではなく、読むための設計図として使われています。

練習用にプロンプターを使う

放送部の練習やアナウンサー志望の自主練習では、ハーフミラーの機材を用意する必要はありません。無料オンラインプロンプター をブラウザで開き、パソコンの画面上部——カメラの真下——に原稿を流すだけで、視線をレンズの近くに保った状態で読む練習ができます。

この練習で身につくのは、原稿を目で追いながら顔を上げたままにする感覚です。手元の紙を読むのとはまったく違う身体の使い方で、慣れるまで時間がかかります。だからこそ、本番前ではなく日常の練習の段階から同じ条件で読んでおく意味があります。

スマートフォンやタブレットで練習する場合は、iPhone アプリiPad アプリ のカメラモードを使うと、撮影中の映像に原稿が重なります。自分の読みを録画して見返せるので、視線の落ち方、間の取り方、口の開き方を客観的に確認できます。

読む速さは1分あたり300文字が基準

日本語のニュース読みは 1分あたり300文字前後 が基準です。原稿の分量から所要時間を出すときも、この数値を使います。300文字で1分、900文字で3分。ストレートニュース1本が30秒程度なら、原稿は150文字前後になります。

実際には内容によって変えます。事故や災害の第一報は、正確さを優先してやや遅く。天気やスポーツの結果は、テンポを上げても伝わります。原稿を書く段階で「この項目は何秒」と決めておき、その秒数に文字数を合わせるのが放送現場の考え方です。

自分が今どれくらいの速さで読めているかは 話す速度の計算ツール で測れます。原稿の文字数から所要時間を出すなら スピーチ時間の計算ツール が早いです。

パソコン・スマートフォンでの設定手順

  1. 原稿を1行20〜25文字で整える。読み上げる前に、この書式に直しておきます。ここを飛ばすと、どんな機材を使っても読みにくくなります。
  2. プロンプターを開いて原稿を貼り付ける。ブラウザ版なら登録もインストールも不要です。
  3. ウィンドウをカメラの真下に置く。ノートパソコンなら画面の最上部に細長く配置します。視線がレンズから離れる距離を小さくするのが目的です。
  4. 文字を大きくする。画面から60〜80cm離れて読むので、目を細めなくていい大きさにします。
  5. 速度を300文字/分に合わせる。まずこの設定で通して読み、速すぎる・遅すぎると感じたら自分の実測値に寄せます。
  6. 録画して見返す。視線がどこを向いているか、間が取れているか、語尾が下がりきっているか。自分の映像で確認するのがいちばん早い上達方法です。

無料で使えるプロンプター

専用機材を使わずにプロンプターを用意する方法は、大きく2つに分かれます。ブラウザで動くものと、スマートフォンのアプリです。

ブラウザ版(インストール不要)。無料オンラインプロンプター は登録もダウンロードも不要で、原稿を貼り付ければすぐ使えます。パソコンで練習する場合や、外部カメラで撮影する場合に向いています。

スマートフォンのアプリ。iPhone や iPad で撮影しながら読むなら、カメラモードが便利です。撮影中の映像に原稿が重なるので、視線がレンズから離れません。自分の読みを録画して見返せるのも、練習では大きな利点です。

どちらも無料で、サブスクリプションなしで使えます。放送部の練習や、アナウンサー試験に向けた自主練習であれば、これで十分に同じ条件を作れます。

よくある質問

アナウンサーは原稿を暗記しているの?

していません。カメラのレンズの前に置かれたプロンプターに原稿が流れており、それを読みながらカメラを見ています。レンズの前のハーフミラーに文字を反射させる仕組みで、カメラはミラーを透かして撮るため視聴者には原稿が見えません。

ニュース原稿はどうやって読んでいる?

1行20〜25文字に整えた原稿を、1分あたり300文字前後の速さで読みます。原稿には区切る位置、上げる位置、間を取る位置、固有名詞の読みとアクセントが書き込まれており、そのまま読むのではなく読むための設計図として使われています。

プロンプターとカンペの違いは?

プロンプターはカメラのレンズの前に文字を表示する装置で、視線がレンズから離れません。カンペは紙やボードに書いて手で示すもので、視線が動きます。放送のニュースではプロンプター、バラエティや現場の合図ではカンペが使われることが多いです。

放送部の練習にプロンプターは使える?

使えます。ハーフミラーの機材は必要ありません。ブラウザのプロンプターをパソコン画面の最上部(カメラの真下)に置けば、視線をレンズの近くに保って読む練習ができます。原稿を目で追いながら顔を上げたままにする感覚は、この条件でしか身につきません。

ニュース原稿は1分あたり何文字?

300文字前後が基準です。30秒のストレートニュースなら150文字、3分の特集なら900文字。事故や災害の第一報は正確さを優先してやや遅く、天気やスポーツの結果はテンポを上げても伝わります。

アナウンス原稿の1行は何文字にすべき?

20〜25文字が目安です。視線を左右に動かさずに1行が視界に入る長さで、これより長いと読み間違いが増えます。1文が2行を超えると息が続かなくなるため、文そのものも短く切ります。

読んでいるように見えないコツは?

視線をレンズから離さないことと、語尾を下げきることです。原稿を目で追う動きは、文字がレンズの近くにあれば相手には分かりません。むしろ「読んでいる感じ」が出るのは、語尾が上がったまま次の行に移るときや、間を取らずに平坦に続けるときです。

無料で使えるプロンプターはある?

あります。ブラウザで動く無料オンラインプロンプターは登録不要で、原稿を貼り付ければすぐ使えます。iPhone・iPad・Mac のアプリも無料で、撮影しながら原稿を重ねて表示できます。

Natalie Brooks Natalie BrooksNatalie Brooks は動画プロデューサーで、個人クリエイター、企業チーム、オンライン講師のために一人で撮影から仕上げまでを担っている。自宅スタジオの構築、クリエイター向け機材、そして案件ありきの機材紹介では決して触れられない制作上の判断について書いている。

ニュース原稿を自然に読む練習を、無料で

次の収録で Teleprompter-Scrolling Scripts を使ってみてください。スクロール速度を300文字/分に設定し、文字を大きくして、カメラの真下に置く。それだけで、視線をレンズに保ったまま原稿を読めます。

無料オンラインプロンプターを使う 無料でダウンロード